原動力は「負けたくない気持ち」
未経験から挑んだ発注者支援の道
大学卒業後に就職したのは、学習塾です。生徒と接する日々は学びも多く、やりがいを感じていましたが、サービス業という目に見えないものではなく形に残る仕事への憧れが大きくなっていき、転職を決意。企業を探すなかで、ティーネットジャパンが展開する事業の1つである発注者支援業務に興味を持ちました。国や地方自治体のサポートをしながら、発注者という立場でモノづくりに携われる仕事です。CS事業本部は、土木の未経験者でも採用していること、勤務時間も規則的で完全週休二日制であったことも、入社の決め手となりました。
入社1年目は、北陸支社で図面作成業務を担当し、2年目からは、積算を学ぶため東京支社へ異動しました。異業種からの転職だったこともあり、最初は戸惑うことも多く苦戦しましたが、座学や実務を通して知識を深めました。さらに、過年度の事例を読み込みながら誰よりも多くの案件を担当しようと取り組み、重ねた経験は大きな自信となって、今も自分を奮い立たせてくれています。
発注者支援業務の一つである積算は、公共工事にかかるすべての費用について設計図書を基に算出するほか、工法に関する技術的な提案などを行う仕事です。たとえば道路工事の場合は、どこを何立米掘削するのか、そこに何をどれくらいの範囲で設置するのかなど、工種ごとに算出し、材料費や機械労務費といったすべての費用の合計を根拠資料とあわせて取りまとめ、予定価格として提示します。その積算資料を基に入札が行われるため、プロジェクトにおいてとても重要な業務といえます。現在は、首都圏の道路を担当しながら、リーダーとしてチームを運営しています。実務作業だけではなく、リーダーにはマネジメントスキルが求められるため、ギャップに悩むことも多いですが、メンバーが成長していく姿にやりがいを感じています。
また、今年度からは2024年1月に発生した能登半島地震の災害復旧に、積算という立場で携わっています。私自身、金沢の大学を卒業していることから、案件への想いは人一倍強かったと思います。そのため、受注しメンバーに選ばれたときは、お世話になった地域に貢献できる嬉しさと同時に、大きな責任を感じました。
今年度からチームリーダーを任され、メンバーや後輩の育成に力を入れています。私がめざしているのは、誰か一人に負荷がかかるのではなく、みんなで助け合っていけるチームです。そのために、一人ひとりと積極的にコミュニケーションをとり、分からないことがあればすぐに相談できる関係性を築くことが大切だと感じています。まだまだ未熟で経験不足な点も多く、メンバーに迷惑をかけることもありますが、「このチームで良かった」と思ってもらえるようなチームにしていきたいです。また、橋梁に関しては私自身経験が少ないからこそ積極的に携わり、そこで得た知見もメンバーや後輩に共有できるように努めていきたいと思っています。
積算部に異動して5年目になりますが、当初は右も左も分からず、試行錯誤の連続でした。今では、その経験で得た知識が生き、「積算が楽しい」と胸を張って言えるようになりました。これからも、社内外を問わず信頼される技術者となれるよう日々精進していきます。